櫂伝馬の船おろし



神舞まであと一月となり、櫂伝馬の船おろしがありました。

東の浜の、道より一段高い倉庫にしまってある櫂伝馬を出すためには、
まずは下ろすための「道」を作ってやらなければいけません。

丸太を6〜7人がかりで抱えて並べ、即席の「道」を作ります。



船の舳先に綱を縛り、それを30人程度で引っ張って櫂伝馬を倉庫から引っ張り出します。
下まで下ろしてからは丸太をコロにして人力でスロープになっている海岸際まで押していき、
先が浮く形で固定しておきます。



続いて2艘目も引っ張り出します。
ちなみに2艘の櫂伝馬の名前は、「あきつき」と「てるつき」といいます。



男性陣が櫂伝馬を出す間に、女性人は櫂を運び出します。
櫂は微妙に大きさが違っており、使う人や使う場所によって使い分けます。

右の画像には特に大きい櫂が2本移っていますが、これは「艫櫂(ともがい)」といって、
櫂伝馬の最後尾で舵の役割を果たします。
また、この艫櫂を使う人がその船のリーダーで、踊りの掛け声や櫂をこぐ拍子の音頭もとります。



この日はTV局も取材に来ていたのですが、
周りで見ていた男性陣はカメラが来ると逃げてしまい、取材はなかなか大変だったようです



引き出した櫂伝馬に、ポンプで汲み上げた海水を船の中に入れていきます。
前回からの4年の間に乾燥したり痛んだりした部分から水が漏れ出して来たので、
船大工の新庄さんがチェックします。

水漏れはこうしてしばらく水につけておけば木材が水を吸うのでかなり止まるそうです。



4年分の汚れを落とし、さらに塗装などをし直して一週間後には海に浮かびます
(撮影 2004/7/22)


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